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レプリカのJackieには、値札等を付けるのに使われる様な両側がT字みたいなプラスチックのZピン(商品名ではZピン)で手の先とブックレットが留めてあるので多くの場合、レプリカ用のブックレットは、上の方にピンの穴が開いている場合が多いが、時々固定されずに出荷されたベアが居たのか、ブックレットに穴が無いものもあるので、オリジナル用かレプリカ用かの違いは、単独で表紙だけではとても分かり難い。並べて見ると、若干、色味が違ってたり髪の質感が僅かに違ってたりする。黄変色しているからセピアっぽく見えるのではなく、オリジナル版を基に原盤を作ったのかベア自体の画像クリアーさが少し劣ってる感じもする。
一番の違いは、裏の下の方にある印刷のコード番号のところ。
オリジナルは、数字 Germanyだが、
レプリカのは、数字 Germany ・ Reprint 数字 Germany となってる他、僅かにレイアウトが(行幅が)違う。
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ついでに、ジャッキーに関しては、海外はもちろん、日本でも人気で、時々、オークションなどにも出品される度に、値段は…と言う問い合わせが来る。
個々にお返事させて頂いてはいるが、初めての人にメールを出すのは…って、躊躇ってイベントなどでお目にかかってやっと、その事を切り出す方がおいでだったりもする。他にもそういう方の為に、ちょっとだけ…はっきりとしたお値段は言えないのですが…。
結論から言えば、1950年代のオリジナルベアと呼ばれているベアより数段高い値段で取引されています。
◆理由は、ジャッキーは、1950年代のベアでは無い存在です。1950年代にオリジナルベアと呼ばれているテディベアも作られてました。その中で、シュタイフ社がテディベアを作り始めて50周年と言う記念に作ったベアで1953年から2年間のものです。50周年とかの記念物は、他のベアより人気なのは当然ですし、50年代の10年間と2年間では出来た個体数も違うはずです。特にジャッキーって名前が付いている以上、ジャッキーはジャッキーでないとダメと言う限定が付き、同時期のオリジナルベアで代用が効かない存在なんです。また、レプリカも出ていますが、Edith the Lonely Dollと言う1957年に初版の写真絵本の中に出てくるベアがジャッキーの17cmのベアです。なので、レプリカのセットの中のLittle Bearは、呼名こそLittle bearですがジャッキーなんです。その為に人形コレクターにも人気です。自分のお誕生ベアだと言う事で手元に置かれている場合もあり、まだまだ、思い入れがある様で是非とも譲ってくれとか言った日には、足元を見られて…となります。
◆値段は、状態です。一概には言えません。
ジャッキーは、ゴールドのモヘヤに、エアブラシでブラウンのお臍とペイントがあります。目の周りから横の方、鼻の周り、耳の内側、お腹が立体的に見えるように丸さを強調したライン、腕の上の方の外側~肩、手の先、足の先、足の上の方の外側 など、色々とペイントがありますが、モヘヤが抜けてハゲになってなくても、ペイントが退色して目立たなくなってる場合、ペイントが残っているものより劣ると言えます。写真の映りでは分かり難いですが、35cm25㎝のジャッキーが良い感じにペイントが残ってる感じで17cmの-1-は、少し濃すぎの製品だったかもしれません。50年経ってこの色…的な色の残りですから。17cmの-2-は、やや薄めです。
鼻にピンクの糸で横に1本刺繍がありますが、これがあるか無いかオリジナルかどうか、でも値段が変わってきます。
もちろん、他のベア同様、モヘヤのハゲ、フエルトの手足のパッズに穴がないかどうか、鼻の刺繍、目がオリジナルかどうか、耳のボタン、黄タグ、胸の紙タグがあるかどうか、オリジナルのリボンを付けているかどうか、この点でも値段が随分違います。
そして、顔つき…。実はこれが一番厄介です。誰が見ても愛くるしい、これが高くなります。だれでも、かわいい~って思ったら欲しくなります。オークションではライバルが現れ、お店では強気に値を付けます。目が寄りすぎてても変な顔、離れ過ぎても間の抜けた顔だったり…、顔のモヘヤが擦り切れ気味でも違う印象になります。
また、誰が持ってたか、どこの店で買ったかも若干、値段が変わります。
プライスガイドはあくまでも参考価格にしか過ぎません。プライスガイドはその本が書かれた頃のオークションや海外の有名店のものだったりするので、(日本のお店はあまり当てにならないかもしれません、経験則から)時期が違うとお値段も変化します。最後は、自分はそのベアにいくら出せるか…です。(もっと具体的に…はここでは差し控えておきます。どうぞメールで。)
◆Edith the Lonely Dollとは、Edith(モデルはレンチドール)と言うとても寂しがり屋の可愛いお人形で、素敵なお家に住んで、何でも持っている恵まれた環境にいますが、唯一足りないのが一緒に遊んでくれる友達。ある日、そこへM.rBear(シュコの茶色の50cm程のベアがモデル)とLittle Bear(シュタイフの17㎝のジャッキーがモデル)の2匹の熊が現れ、やっと友達が出来、楽しく過ごすのですが、一緒に遊んでいくうちに…ってモノクロの写真とお話で出来た絵本です。このEdithの絵本は人気で色々な続編が出版されました。本の中のEdithは、レンチドールですが、マダムアレキサンダーのドールとベアのセット、1980年代にはFAOシュワルツからシュタイフのジャッキーと同じベア(モヘヤの色がやや白め)と茶色のベアとセットが作られています。